八月のクリスマス
これは時間があるから見てみよう…と思い、見た作品です。
時間があるから見てみよう…と思ったのは間違いだったかもしれない。
ソウルの街中で小さな写真店を経営する青年ジョンウォン(ハン・ソッキュ)。
彼は写真の現像がきっかけで、八月に若い女性タリム(シム・ウナ)と知り合う。
素直で純朴なタリムは、ジョンウォンに惹かれ、ジョンウォンも彼女の事を好きになっていく。
しかし、ジョンウォンは余命いくばくもない状態でした。
タリムはそんなことは知らなかったのです。
2人は他愛ない会話を楽しんだり、同じ時間を過ごししていたけれど、死期はどんどん近づいていました。
ある日、あるお客さんから遺影を撮って欲しいと頼まれ、ジョンウォンは撮ることになり…
この映画には、愛情表現のキスシーンとかわかりやすい愛の表現はありません。
どちらかと言うと、心情を描くような描写が多いです。
見る側に、読み取らせてくれます。
お互いがお互いを意識し合い、惹かれていると。
優しいシーンが多いのです。
この映画には、主人公が病気でとてつもなく辛いシーンもありません。
ただ、描写で死期が迫っていることは分かります。
家族や友人、ジョンウォンの様子からも分かります。
そしてこの映画には、死が悲しく寂しく…辛く…という周囲のシーンもありません。
愛するタリムも、嗚咽して泣くなんてことも無いです。
ラストは、ジョンウォンの穏やかな語りがあります。
それが彼の全てだったのだろうと思います。
愛するタリムへの想い。
タリムはいつか知るのだろう…いつか本当の彼の思いを。